統計学入門 第7章の問題 7.4 秤量問題

はじめに

この記事は統計学入門1のを読んだことをまとめた振り返り記事です。

問題

二つの物体A,BA, Bの重さmA,mBm_A, m_Bを測りたい。A,BA, Bのそれぞれを天秤の片側に載せて測る方法(I)と、まず一方にA,BA,B両方を乗せて重さの和を測り、また天秤の両側に乗せて差を測りそこから算出する方法(II)がある。I, IIのどちらの方が優れた方法か。ただし、天秤の測定誤差の分散はつねにσ2\sigma^2とする。

解答

I, IIで測定誤差の分散が、どちらのほうが小さいかという問題です。Iの分散は自明なので、IIの場合を計算しましょう。

A,BA, Bそれぞれの測定誤差を確率変数とし、それをXA,XBX_A, X_Bで表すとします。このとき(II)の方法に対応する新しい確率変数

Y=Xa+Xb2,Z=XaXb2 Y = \frac{X_a + X_b}{2}\,, \quad Z = \frac{X_a - X_b}{2}

を定義しておきます。この確率分布の分散は、分散の性質

V[aX+bY]=a2V[X]+b2V[Y]+2abCov[X,Y] V[aX + bY] = a^2 V[X] + b^2 V[Y] + 2ab\, {\rm Cov}[X, Y]

から、

V[Y]=V[Xa+Xb2]=14V[Xa+Xb]=14(V[Xa]+V[Xb])=σ22\begin{align*} V[Y] &= V\left[ \frac{X_a + X_b}{2} \right] \\[8pt] &= \frac{1}{4} V[X_a + X_b] \\[8pt] &= \frac{1}{4} (V[X_a] + V[X_b]) \\[8pt] &= \frac{\sigma^2}{2} \end{align*}

となります。V[Z]V[Z]も同様に計算できて、どちらの場合もσ2/2\sigma^2/2となります。

よって、(II)の方法が測定誤差の分散が小さく、優れていると言えます。

参考文献

リポジトリ

Footnotes

  1. 統計学入門 東京大学教養学部統計学教室編 東京大学出版会