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統計学入門 第6章の問題 6.6 記憶喪失性と瞬間故障率

はじめに

この記事は統計学入門1のを読んだことをまとめた振り返り記事です。

(i)(i)

確率変数XXが指数分布に従うとき、

P(X>a+bX>a)=P(X>b) P(X > a + b\, | \, X > a) = P(X > b)

を示せ。またこの意味は何か?

(ii)(ii)

指数分布Ex(x;λ){\cal Ex}(x; \lambda)の密度関数f(x)f(x)、累積分布関数をF(x)F(x)とする。関数

λ(x):=f(x)1F(x) \lambda(x) := \frac{f(x)}{1 - F(x)}

は定数となり、λ\lambdaに等しいことを示せ。このλ(x)\lambda(x)瞬間故障率という。

問題

(i)(i)

指数分布の分布関数は

f(x)=λeλx(x0) f(x) = \lambda e^{-\lambda x}\, \quad (x \geq 0)

です(x<0x < 0の場合は0)。問題文にあるのは条件付き確率であり、x=ax = aの時点でイベントが起き、a+ba + bの時点でもイベントが起きる条件付き確率を計算させています。よって、

P(X>a+bX>a)=P(X>a+b)P(X>a)=eλ(a+b)eλa=eλb P(X > a + b\, | \, X > a) = \frac{P(X > a + b)}{P(X > a)} = \frac{e^{- \lambda(a + b)}}{e^{- \lambda a}} = e^{- \lambda b}

となります。一方、P(X>b)P(X > b)

P(X>b)=eλb P(X > b) = e^{- \lambda b}

となります。よって、

P(X>a+bX>a)=P(X>b) P(X > a + b\, | \, X > a) = P(X > b)

となります。

この意味は、ある時間xxでイベントが起きる確率は、その時間xxがどれだけ長いかに関係なく、常に同じ確率であるということを表しているということです。感覚的には、あるイベントが起きると、また連続して起きやすい・起きにくいんじゃないかと勘繰ってしまうかもしれませんが、そんなことはなく、過去の履歴に関わらず、常に同じ確率であるということを表しているということです。

(ii)(ii)

累積確率分布は

F(x)=xf(t)dt=0xλeλtdt=1eλx(x0)\begin{align*} F(x) &= \int_{-\infty}^{x} f(t) {\rm d}t \\ &= \int_{0}^{x} \lambda e^{-\lambda t} {\rm d}t \\ &= 1 - e^{-\lambda x}\, \quad (x \geq 0) \end{align*}

です。よって、

λ(x)=f(x)1F(x)=λeλxeλx=λ \lambda(x) = \frac{f(x)}{1 - F(x)} = \frac{\lambda e^{-\lambda x}}{e^{-\lambda x}} = \lambda

と定数になります。故障する時間がこの指数分布に従うとするならば、ある時間xxで故障する確率は常に同じ確率であるということを表しており、記憶喪失性が反映されています。

解答

Footnotes

  1. 統計学入門 東京大学教養学部統計学教室編 東京大学出版会

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