正規分布の平方変換
問題
確率変数Xが正規分布
fX(x)=2πσ1e−(x−μ)2/(2σ2)
で、μ=0、σ=1に従うとき、X2の累積分布関数、密度関数、期待値、分散を求めよ。
解答
確率変数X∼N(0,1)に対して、新しい確率変数Y=X2を考えます。累積分布関数FY(y)は定義より
FY(y)=P(Y≤y)=P(X2≤y)=P(−y≤X≤y)
です。ここで正規分布の累積分布関数をΦ(x)=P(X≤x)と表すことにすると、FY(y)は
FY(y)=Φ(y)−Φ(−y)
となります。
※ここの考え方は∫−yy=∫−∞−y+∫−∞yのように積分範囲を分解していることをイメージすると分かりやすいかと思います。
ここでΦ(−x)=1−Φ(x)という性質を用いれば、求める累積分布関数は
FY(y)=Φ(y)−(1−Φ(y))=2Φ(y)−1
となります。
密度関数をこれを微分すると得られることができて、y≥0で
fY(y)=dydFY(y)=dyd(2Φ(y)−1)=2Φ′(y)⋅2y1=2πy1e−y/2
となります。よって、密度関数は
fY(y)=⎩⎨⎧2πy1e−y/20(y≥0)(y<0)
です。
期待値は定義より
E[Y]=E[X2]=V[X]+(E[X])2=1+02=1
となります。
分散は定義より
V[Y]=E[Y2]−[E(Y)]2=E[X4]−12=E[X4]−1
です。最後にE[X4]を求めましょう。準備として次の積分を考えます:
∫−∞∞e−ax2dx=aπ
これに−∂/∂aをとると
∫−∞∞x2e−ax2dx=2πa−3/2
となります。もう一度−∂/∂aをとれば
∫−∞∞x4e−ax2dx=43πa−5/2
となります。よって、E[X4]は
E[X4]=2π1∫−∞∞x4e−x2/2dx=2π1⋅43π(21)−5/2=2π1⋅43π⋅42=3
となります。よって分散は
V[Y]=E[X4]−1=3−1=2
となります。
余談
確率変数がN(0,1)に従うとき、X2はガンマ分布Ga(1/2,1/2)に従います。また、ガンマ分布Ga(n/2,1/2)は、自由度nのχ2分布と言われます。
参考資料