過去のノートにあった正準変換のメモです。
s自由度における質点系の作用は
S=∫dtL(q,q˙,t)
で表されており、一般化座標qと一般化速度q˙はそれぞれ
qq˙={q1,…,qs},={q˙1,…,q˙s}
を省略して書いている。これに正凖共役な運動量piを
pi=∂q˙i∂L
としてLegendre変換したものをHとおく:
H(q,p,t)=i∑spiq˙i−L(q,q˙,t)
これはHamiltonianと呼ばれる量であり、系の全エネルギーに対応する。
正凖変換は正凖変数(p,q)から新しい正凖変数(P,Q)へ移る変換である。ただし、どんな変換でも許されるわけではなく、それぞれの正準変数における変分が同じように停留しなければならない。
よって、新しいHamiltonianをK(Q,P,t)と表しておくと、
δ∫dt(i∑spiq˙i−H(q,p,t))=0δ∫dt(i∑sPiQ˙i−K(Q,P,t))=0
を保つ変換が正凖変換である。そして被積分関数のなかに時間に関する全微分の項まで含めても物理的意味は変わらないので、上記の条件はより簡単に、
i∑spiq˙i−H(q,p,t)=i∑sPiQ˙i−K(Q,P,t)+dtdG
とかける。
いま正凖変換は一見4s個あるが、一般に、古い変数q=(q1,…,qs),p=(p1,…,ps)と新しい変数Q=(Q1,…,Qs),P=(P1,…,Ps)は2s個の式
Q=Q(q,p,t),P=P(q,p,t)
で関係付けられるので、2s個の自由度が残る。
そのため(8)の引数は古い変数のq,pのどちらかと、新しい変数のQ,Pのどちらかを含んでいなければならない。
すると、関数Gの候補は
G1(q,Q,t),G2(q,P,t),G3(p,Q,t),G4(p,P,t),
に絞られる。
この関数を変換に対する母関数(generator)という。
G1による変換を考える。
つまり、qとQは独立変数である。
この関数の全微分は
dtdG1(q,Q,t)=i∑s(∂qi∂Gq˙i+∂Pi∂G1Q˙i)+∂t∂G1
であるから、(8)に代入し、項をすべて左辺に移項すると
i∑spiq˙i−H(q,p,t)−i∑sPiQ˙i+K(Q,P,t)−i∑s(∂qi∂G1q˙i+∂Qi∂G1Q˙i)−∂t∂G1=0
となる。
よって独立変数でくくると、その式恒等的にゼロになるためには
piPiK(Q,P,t)=∂qi∂G1,=−∂Qi∂G1,=H(q,p,t)+∂t∂G1
であればよい。
次にG2による変換を考える。
これは独立変数の一組みQがPに変わっている。
ここで\eqref{eq: G1 P Q}を見ると、PとQはLegendre変換で結びついてるような示唆をしているようにみえる。
そこで
G2(q,P,t)=G1(q,Q,t)+i∑sPiQi
のように置けば、この関数の全微分は
dtdG2(q,P,t)=dtdG1(q,Q,t)+i∑s(P˙iQi+PiQ˙i)
として与えられる。
これをdtdG1を選んだ(8)に代入してみると、
i∑spiq˙i−H(q,p,t)=i∑sPiQ˙i−K(Q,P,t)+dtdG2−i∑sP˙iQi−i∑sPiQ˙i=−i∑sP˙iQi−K(Q,P,t)+dtdG2
とできるの。
また
dtdG2(q,P,t)=i∑s(∂qi∂G2q˙i+∂Pi∂G2P˙i)+∂t∂G2
である。よって
i∑spiq˙i−H(q,p,t)+i∑sP˙iQi+K(Q,P,t)−i∑s(∂qi∂G2q˙i+∂Pi∂G2P˙i)−∂t∂G2=0
を満たす必要がある。
いま独立変数が(q,P)であることを思い出すと、これが恒等的に成り立つためには
piQiK(Q,P,t)=∂qi∂G2,=∂Pi∂G2,=H(q,p,t)+∂t∂G2
を満たさなければならない。