統計学入門 第4章の問題 4.1 de Méréの問題
問題
(i) さいころを4回投げたとき、6の目が少なくとも1回出るのに賭けるか、1回もでないのに賭けるか。
(ii) さいころを同時に2個を24回投げるとき、(6,6)の目が少なくとも1回出るのに賭けるか、1回もでないのに賭けるか。
解答
(i)
それぞれの出る目は独立です。「少なくとも1回は6の目が出る」の余事象は「6の目が一度も出ない」なので、シンプルな後者を考えます。
6の目が一度も出ない確率は
(65)4=1296625≃0.4822
に対し、「少なくとも1回は6の目が出る」確率は
1−(65)4=1296671≃0.5177
となります。よって、「少なくとも1回は6の目が出る」方に賭けるほうが妥当です。
(ii)
1回投げて(6,6)の組がでるのは1/36です。よって、一度も(6,6)の組が出ない確率は
(3635)24=(1−361)24
となります。電卓があるならば冪を計算するだけでいいですが、ここでは電卓がないものとします。(35/36)24が1/2より大きいかどうかが肝になります。
これを示すためにはいくつか準備が必要です。まずは
log(1−x)≥−1−xx
が0≤x≤1の間で成り立つことを示します。f(x)を
f(x)=log(1−x)+1−xx
と置くと、まず明らかにf(0)=0です。この関数が単調増加であれば、0≤x≤1の間で不等式(2)が成り立つことが言えます。f(x)をxで微分すると
f′(x)=1−x1⋅(−1)+1⋅1−x1+x⋅(1−x)2−1⋅(−1)=(1−x)2x≥0
となります。よって、f(x)は単調増加であるので、不等式(2)が成り立つことが言えました。
次に不等式(2)に対してx=1/36とおくと、
log(3635)≥−351
です。したがって、両辺に24をかけてeをとると
(3635)24≥e−24/35
となります。ここまでくると、e−24/35が1/2=e−log2より大きいか小さいかを評価するだけでいいです。そしてそれは24/35とlog2を比較する問題になります。
これは典型的な積分で評価できます。
∫12x1dx>∫12[1−(x−1)+21(1−x)2]dx
を計算すると、左辺は明らかにlog2となり、右辺は
∫12[1−(x−1)+21(1−x)2]dx=∫01[1−t+21t2]dt=[t−21t2+61t3]01=(1−21+61)−0=32
です(※)。これからlog2≤2/3<24/35が成り立つので、
(3635)24≥e−24/35≥e−log2=21
となります。よって、(6,6)の組が一度も出ない確率は1/2より大きいので、(6,6)の組が一度も出ないのに賭けるほうが妥当です。
(※)

参考資料